EELの基本的な使い方
ここではEELの最も基本的な使い方を解説します。
前提としてGrasshopperの基本的な操作はできているものとして割愛します。
1. 準備
EELを使ってコンバートや解析を行うための前準備について解説します。
まず最初に単位を確認します。
EELでは単位は[メートル]を使用しますのでRhinocerosの画面下部から単位が[メートル]になっているかを確認します。
次に、 コンバートや解析をしたいモデルを用意します。
モデルを用意する際の注意点としては、
①曲線(Curve)ではなく、直線(Line)であること
②接点となっている場所ではすべての線分が切れていること
③接点の端点同士が同じ座標にあること
などがあげられます。
ここでは画像のようなモデルを用意してモデルを作成します。
EELでは基本的に柱や梁となる線分、支点、そして荷重の入力が必要となります。
下の画像では、柱や梁を生成後[Merge]を使用して要素をまとめています。
また支点となるポイントや荷重をかける要素をまとめておくと見やすくなります。
以上でEELを使う前の準備は整いました。
ここから実際にEELのコンポーネントを組んでいきます。
2. 梁要素の入力 ~Beam Element~
まず最初に梁要素をEELのデータに変換します。
[Beam Element] が正常に機能するには「Line」、「ElementName」、「MateriaName」の3つのインプットを入力する必要があります。
[Beam Element]を配置し、モデルを構成する線分である梁要素をLineインプットに接続します。
接続すると下の画像のようにBeamElementのインプットにいくつかのコンポーネントが現れます。
EELでは、Lineインプットを配置後最初にLineに要素を入力するとあらかじめ要素が設定されたコンポーネント群が自動で配置されるようになっています。
次に「ElementName」、「MateriaName」を入力します。
この2つはSettingListにて設定している名称を入力します。
SettingListを変更していないのであれば 、ここでは「ElementName」にRC_C1、「MateriaName」 にSTEELを入力します。
また注意点として[Beam Element]からはRhinocerosのビューポートに何も表示しません。
3. 支点の入力 ~Boundary~
次に支点を入力します。
EELで始点を入力する際に使用するのは[Boudanry]というコンポーネントを使用します。
[Boudanry] はPointインプットに始点としたい点を入力するだけで支点とすることができます。
また[Boundary]の下部の黒い部分はボタンとなっており、ここをクリックすると支点の境界条件を設定することができます。
4. 荷重の入力 ~UniLoad~
荷重を入力します。
今回は梁に等分布荷重をかけるため、[UniLoad]という等分布荷重を生成するコンポーネントを使用します。
使い方はLineインプットに等分布荷重をかけたい梁の線分を入力します。
そうすると[Beam Element]の時と同様にいくつかコンポーネントが配置されます。
次に荷重の設定を入力します。
Valueは等分布荷重[kN/m]を入力します。
DirectionとLoadCaseは自動で配置されたリストから任意のものを選択します。
これで、 [Beam Element]で梁要素 、 [Boundary]で支点 、 [Uni Load]で荷重の3種の要素を作成しました。
EELではこの3つの要素が作成できれば解析まで行うことができます。
5. 設定した値の集約 ~Assemble~
ここでは、これまでに設定した梁要素、支点、荷重をまとめて構造モデルを作ります。
この操作には[Assemble]を使用します。
[Assemble]のElement、Boundary、Loadインプットにそれぞれ[Beam Element]のElementアウトプット、[Boundary]のBoudaryアウトプット、[Uni Load]のLoadアウトプットを入力します。
うまくそれぞれの要素が入力出来ていると画像のような構造モデルが表示されます。
[Beam Element] や [Boundary] 、 [Uni Load] からRhinocerosのビューポートへ直接表示はされませんがAssembleに接続することで初めてRhinoceros上でモデルが確認できるようになります。
[Assemble]の下部はボタンとなっており、表示の切り替えや書き出しなどができます。
「Input」からは入力した線分や荷重などの情報やSettingListの入力を確認することができます。
「Model」からはRhinoceros上での表示を切り替えることができます。
例えば「Load」を選択すると画像左側のように荷重を表示することができます。
また「Render」を選択すると設定した断面が表示されます。
「Output」を選択しファイルの保存場所を指定すると構造モデルをMidasやSNAPで読み込める形式に変換したデータを書き出すことができます。
「3DView」を選択すると、構造モデルを簡易的なビューで確認することができます。
「Bake」を選択すると、Renderで表示している断面をRhinocerosに書き出すことができます。
この際「Model」からRenderを表示状態にしていないとエラーになるのでBakeする際は注意して下さい。
6. 構造解析 ~Solver~
最後に構造解析を行います。
構造解析には[Solver]を使用します。
[Solver]のModelインプットに[Assemble]のModelアウトプットを入力することで構造解析ができます。
解析結果は、コンポーネント下部のResultボタンをクリックすると表示切替ボタンが現れます。
7. まとめ
以上のようにEELでは、 [Beam Element] で柱梁の設定、 [Boundary]で支点の設定 、 [Uni Load]など荷重関係のコンポーネントで荷重の設定を行い、それらを[Assemble] に集約することでほかのソフトへの書き出しや断面のBakeができ、さらに[Solver]へつなぐことで構造解析ができました。
以上がEELの基本的な使い方になります。
最後にこのチュートリアルの全体のスクリーンショットです。
確認などにご利用ください。